空き家問題って聞いたことありますか?
住んでいた方が亡くなったりして、荒れてしまった家が私の住んでいる家の周りにも散在しています。
きちんと管理されていればいいのですが、草がぼうぼうに生えまくって廃墟となっているような家もあります。
こうした問題は5年ほど前から大きく取り上げられ始め、政府としても対策が講じられています。
今日はこの空き家問題を少しみてみましょう。
主な内容は以下の通りです。
- 空き家率が過去最高を更新
- 根強く残る新築信仰?新規住宅着工件数は減っていない
- で、どうなるの?住宅価格は?
ではいきましょう。
空き家率が過去最高を更新
総務省は4月26日、全国の空き家率を公表しました。
空き家率はここ数年、過去最高を更新し続けています。
根強く残る新築信仰?新規住宅着工件数は減っていない
家が空いているならそこに住めばいいじゃないか、と言いたいところですが、日本には新築信仰のようなものが根強く残っています。
新築のマンションなり戸建てを購入するのが家庭を持つ条件、みたいなところでしょうか。
何を隠そう、私も新築マンション買ってます。
そして日本は総人口はすでに減少していますが、世帯数は増加しています。世帯が増えれば住む家も必要になるので、現状は1世帯当たりの人数が減りながら世帯数が増加している状況です。
その増加幅は年間おおよそ58万世帯です。要は、58万の世帯があらたに住む家を必要としているのです。
そういう中で新規住宅着工工数は95万戸で、近年はほぼ横ばいで推移しています。
下のグラフは国土交通省が開示している新設住宅着工戸数の推移です。
(出典:国土交通省)
こんなに家が毎年必要か?という疑問を持ちませんか?
世帯数は今こそ増えていますが、あと数年もすれば世帯数も減少傾向に入ります。
そうすると、いったい誰が住宅を新規で欲しがるのか?、、、っていうか、中古住宅だってあるわけです。
日本は中古住宅の流通市場が未成熟、と言われていますが、あるのはあるわけです。
どう考えても、日本人の人口動態を前提にすると現在も、そして将来的にさらに住宅は余る。
じゃあ、どうなるのでしょうか?
で?どうなるの?住宅価格は?
住宅が余っているということは、住宅が需要に対して過剰供給されるということです。過剰供給されると、経済原則的には値段が下がります。
これを防ぐには、どうすればいいでしょうか。
需要を増やすか、供給を減らすかするしかありません。
まず需要を増やすにはどうすればいいでしょうか。
日本人の人口動態を前提にすると、今後世帯数は減る一方なので期待できません。
そこで、利用目的(住む、その他の用途)と日本人かどうか(日本人、それ以外)で分けてマトリックスを作ってみました。
空き家をどう利用するかについて、国内用途なら民泊かその他(事業用に転用するなど)、海外から呼び込むのであれば移民や民泊への転用などが考えられますね。
これらをうまく組み合わせて余ってしまっている「家」をうまく活用できれば、それだけ需要が増えますので、価格の下落は抑えられるかもしれません。
もう一方の「供給を減らす」についてはどうでしょうか。
これは、民間デベロッパが作るのを抑えなさいということになるので、国が「作りすぎだから、ちょっと作るのやめなさい」といういわゆる「総量規制」を導入することが考えられます。
この辺りは現状、政策金利を引き下げて住宅ローンを組みやすくしている関係から、今のところ政府は景気刺激策として住宅を作って売りまくるのを止めるのは難しいかもしれません。
そう考えると、将来的に過剰供給になるリスクを見なかったことにして?とりあえず今の経済を良くしよう、困ったことは将来に、、、、みたいな風に思えるのは僕だけでしょうか。