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今日の数字 韓国経済

今日の数字〜韓国経済はどうなってるの?

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こんばんは。

 

今日は日経新聞が6月5日に報道した「韓国7年ぶり経常赤字 4月 輸出減少響く」に関連して、少し韓国経済がどうなっているのかもう少し掘り下げてみてみましょう。

 

今日の内容は以下の通りです。

 

  1. 減速する韓国経済
  2. 韓国経済の特徴~輸出主導型経済
  3. 財閥の影響
  4. スマホのシェア
  5. 輸出先は中国、米国がツートップ
  6. まとめ

 

ではいきましょう。

 

減速する韓国経済

 

韓国銀行が6月5日に発表した2019年4月の国際収支の赤字が結構目を引きました。長らく貿易輸出国として成長してきた韓国は経常黒字国として認識されてきたからです。

 

下のグラフは韓国の国際収支の推移をとったものです。

 

(出典:韓国銀行より筆者作成)

 

2019年4月にマイナスに転じています。ただこれは、よく見ないといけません。2017年、2018年4月にも大きく落ち込んでいますね。

 

もしかすると4月に何かあるのかもしれません。

 

そこで上記の国際収支をさらに分解したものが以下のグラフです。ちなみに「国際収支=貿易収支+サービス収支+所得収支+経常移転収支」です。

 

(出典:韓国銀行より筆者作成)

 

よく見ると、4月は毎年灰色の「所得収支」が大きくマイナスになっていますね。これは例年4月に韓国企業が海外の株主などに支払う配当金が出ていくからです。そのため2019年4月は大きく落ち込んだ。

 

ところが、過去はそれでも国際収支は黒字になっていました。では今回は何が違うのかというと、よく見ると青色の棒グラフ、「貿易収支」が2018年の半ばころからどんどん減ってきています。

 

2019年4月の国際収支の赤字は、これが原因ですね。

 

韓国経済の特徴~輸出主導型経済

 

ではここで、少し韓国のGDPの推移をおさらいしておきましょう。

 

下のグラフは韓国の名目GDPの推移をとったものです。

 

(出典:Global Noteより筆者作成)

 

直近で約1.6兆ドルです。日本のGDPが2017年でおおよそ4.8兆ドルですから、おおよそ3分の1になります。

 

右肩上がりに順調に伸びてきていますね。

 

では、何が好調でここまで伸びてきたのでしょうか。全体のグラフを見ても分からないので、上のグラフを項目別に分けたものをみてみましょう。

 

(出典:Global Noteより筆者作成)

 

棒線グラフの高さはさきほどと同じGDPの総額を表しており、そのうちオレンジ色部分は「財貨・サービスの輸出」を表しています。まあ、要するに輸出ですね。

 

韓国の経済の大きな特徴としては、このような輸出主導型経済というのがあります。

 

韓国の場合輸出に依存している割合が高く、GDPの40%近くは輸出で稼いでいるような構図になります。

 

その額でいうと、約6,000億ドルは輸出で稼いでいるということですね。

 

財閥の影響

 

ここで、韓国の経済を語るうえで必ず触れなければいけないのが、「財閥の影響」です。

 

もともと韓国は(かつての日本もそうであったように)いわゆる財閥というものがあります。

 

サムスン、LG、現代自動車などが有名ですかね。韓国には財閥が10あると言われています。

 

では、その財閥の影響はどのくらいなのでしょうか。

 

財閥の中でも最大級なのがサムスン電子です。みなさんも聞いたことはありますよね。

 

サムスン電子は韓国最大の企業です。その業績を見てみましょう。

 

(出典:Samsung HPよりhttps://www.samsung.com/global/ir/financial-information/financial-valuation-snapshot/

 

2018年度で売上が250兆ウォン(約23兆円)あります。韓国のGDPは上で見た通り、1.6兆ドルですから、これも日本円になおすと約170兆円。

 

実に、サムスンの売上だけで韓国のGDPの13%ほどあります。

 

韓国経済がサムスンの業績次第、と言われるゆえんです。

 

このサムスン電子、上のグラフを見る限りでは売上、利益を伸ばしているようですが、ここにきて少し減速してきています。

 

サムスン電子の売上高の4半期ごとの推移をみると、下のようになっています。

 

(出典:Samsung HPより)

 

2019年1Qでは、売上高が前年同期比で約13%減少、営業利益で前年同期比約60%減少となっています。

 

ここにきて売上、利益ともに減少しています。Samsungの業績の柱は言うまでもなく、スマホです。このスマホの事業で売上高の伸びが鈍化し、営業利益が大きく落ち込んでいます。

 

スマホのシェア

 

では、スマホの世界シェアはどうなっているのでしょうか。

 

サムスンはAppleと争いながらもスマホの世界シェアトップでした。それが現在では下の表のようになっています。

 

まず、IDCの調査によると世界のスマホ販売台数は2018年に14.6億台から14億台に減少しています。これは意外なデータですね。

 

以前スマホの普及率を見ましたが、販売台数でみるとすでに減少していたのです。

 

スマホが普及しすぎて、さすがに成長にも陰りが見えてきた段階というわけですね。

 

その中で検討しているサムスンですが、2018年はHuaweiやXiaomiなどの中国勢に押されてシェアを低下させています。

 

マーケットの成熟化とシェアの低下が起こると広告宣伝などで巻き返そうとしますから、そのあたりもあってサムスンの営業利益も曲がり角に来たのかもしれませんね。

 

輸出先は中国、米国がツートップ

 

しかも、間が悪いことに今貿易戦争真っただ中の中国と米国が韓国の主な輸出相手国です。

 

韓国で組み立てた電化製品や電子部品などを中国やアメリカに輸出するのが主な稼ぎ口なんですね。

 

下の表は2017年の韓国の輸出相手国別の割合を示したものです。

(出典:CIA The World Fact Book 2017より筆者作成)

 

ざっくり4割はこの2国なのです。

 

中国経済が減速すれば、韓国も大きなダメージを受けやすい体質になっています。

 

 

まとめ

 

では、本日のまとめです。

 

  • 韓国経済は輸出主導経済かつサムスンの輸出事業頼みの危うい経済構成になっている
  • 主な輸出先が貿易戦争中の米国と中国
  • スマホの成長停滞
  • これらにより、韓国経済の成長が踊り場に来ている

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