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今日の数字〜1人の女性が生涯でどのくらい子供を産むか?

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こんばんは。

 

6月は例年ジューンブライドというくらいですから妙に結婚式が多い季節ですね。

 

結婚するのはいいとして、1人の女性がどのくらい子供を生涯産むのか?ということを表した数字に「合計特殊出生率」というものがあります。

 

今日はこの数字をみていきましょう。内容は以下の通りです。

 

  1. 合計特殊出生率とは
  2. 日本の合計特殊出生率はどう推移してきたか
  3. 世界と比較してみると?
  4. 海外では婚外子が当たり前の世界だった!
  5. まとめ

それではいきましょう。

 

合計特殊出生率とは

 

合計特殊出生率って何やら難しい言葉のように聞こえますが、どのような定義なのでしょうか。合計特殊出生率を定義し、算定している厚生労働省のHPで記載されている定義は以下の通りになります。

合計特殊出生率は「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、次の2つの種類があり、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。

  • 「期間」合計特殊出生率
    ある期間(1年間)の出生状況に着目したもので、その年における各年齢(15~49歳)の女性の出生率を合計したもの。
    女性人口の年齢構成の違いを除いた「その年の出生率」であり、年次比較、国際比較、地域比較に用いられている。
  • 「コーホート」合計特殊出生率
    ある世代の出生状況に着目したもので、同一世代生まれ(コーホート)の女性の各年齢(15~49歳)の出生率を過去から積み上げたもの。
    「その世代の出生率」である。

実際に「一人の女性が一生の間に生む子どもの数」はBのコーホート合計特殊出生率であるが、この値はその世代が50歳に到達するまで得られないため、それに相当するものとしてAの期間合計特殊出生率が一般に用いられている。 なお、各年齢別の出生率が世代(コーホート)によらず同じであれば、この二つの「合計特殊出生率」は同じ値になる。

ただし、晩婚化・晩産化が進行している状況等、各世代の結婚や出産の行動に違いがあり、各年齢の出生率が世代により異なる場合には、別々の世代の年齢別出生率の合計であるAの期間合計特殊出生率は、同一世代のBのコーホート合計特殊出生率の値と異なることに注意が必要である。

(出典:厚生労働省HP)

なにやら難しそうな定義ですね。

 

ここは、ざっくりと「女性1人が生涯どれくらいの子供を産むか」という数字だと理解しておきましょう。

 

「合計特殊出生率=2」だったら、「その年、女性1人がだいたい2人は子供を産んだ」という感じです。

 

男女1組が結婚して子供を産むというのが通常のパターンなので、合計特殊出生率が2を切る場合は人口が減少していくことになります。

 

日本の合計特殊出生率はどう推移してきたか

 

では、日本の合計特殊出生率はどのように推移してきたのでしょうか。

 

厚生労働省が公表しているデータをみてみましょう。

 

(出典:厚生労働省 人口動態統計)

直近では、日本の合計特殊出生率は1.43という水準です(2017年)。

 

2を切っていますので、高い数字ではありません。

 

世界と比較してみると?

 

では、日本の水準は低いとして、どれくらい低いのでしょうか。

 

世界の国々と比較してみましょう。

 

下の表は、世界銀行がリリースしている各国の出生率のデータから作成したものです。

 

主な国々をここでは例として挙げています。この表を見ると、意外と他の先進国も出生率は低いことがわかります。

 

日本は低いとはいえ、最低レベルではありません。お隣の韓国のほうが何やら深刻げですね。日本経済新聞社は、2019年2月27日、「韓国18年出生率、初めて1.0割れ 世界最低水準へ」という記事を書きました。

 

その記事によると、韓国は2018年に出生率が1を切り、0.98にまで落ち込みました。政府も色々と福利厚生を進めたものの、効果はなかったとのことです。

 

また、フランスは比較的先進国の中でも出生率が1.92と比較的高い水準です。これらの国々における出生率がどういう推移してきたのかもみておきましょう。

 

(出典:worldbank Fertility rate, total (birth per woman)より作成)

韓国の出生率はその昔6.00とかなり高い出生率だったのですが、1960~80年にかけて大きく下落しました。その後もゆっくりと下落し、ついには直近で上述のように1.00を切る水準まで落ち込んでいます。

 

他方、ドイツやフランスは一旦落ち込んだ後、上昇している期間があります。フランスは特に少子化対策がうまくいった国として知られています。

 

海外では婚外子が当たり前の世界だった!

 

フランスの特徴として、婚外子を積極的に認めた点がよく挙げられます。婚外子ってなんでしょう?

 

余り聞きなれない言葉です。実は、このこと自体が日本の特異性を表しています。

 

婚外子とは、結婚していない母親から生まれた子供です。「シングルマザー」をイメージしますが、婚外子とは法律的に婚姻関係にない男女の間に生まれた子供です。

 

ですので、生まれたときは結婚してたけど、そのあと離婚して片親になった状態の子供は婚外子ではありません。

 

結婚していない人との間に生まれた子供って、日本ではそもそも抵抗がありますよね。日本では子供を産むのは結婚していることが大前提だからです。

 

ところが、この常識は海外では通用しません。

 

有名スポーツ選手などがよく子供を抱えているものの、その母親を「~夫人」と呼ばない場合があったりしませんか?

 

そういうときにこの婚外子の概念を思い出してください。きっとそうかもしれません。

 

フランスでは、生まれてくる子供の約6割は婚外子です。

 

ちょっと信じられないレベルですね。

 

ではちょっとOECDが公表している世界各国の婚外子の割合をみてみましょう。

 

(出典:OECD Family Databaseより筆者作成)

 

なんと、ヨーロッパや南米、米国も含めて他の国は軒並み婚外子の割合が高いのです。

 

フランスは世界でも婚外子の割合が多い国です。では、フランスは少子化対策として何をしたのか?

 

フランスは、婚外子にも婚内子と同等の権利を認めたのです。え?当り前じゃないのか?という声が聞こえてきそうですね。

 

日本は法律上、摘出子と非摘出子(=婚外子)とが法律で区分されています。ということは、何かしら待遇が異なるわけですね。

 

非嫡出子は父親に子供として「認知」してもらわないと、法律上父親が果たすべき義務を求めることはできません。

 

どちらかというと親目線で法律ができている。他方、フランスではすべての子供は親を知る権利があり、すべての親に養育義務があります。法律で逃げられないようになっています。

 

こうした背景もあって、フランスは先進国の中では比較的高い出生率をキープしているわけです。

 

まあ、日本がこれらを受け入れるにはなかなかハードルが高そうですね、、

 

まとめ

 

  • 日本の合計特殊出生率は1.43。
  • 韓国はもっと低くて0.98にまで落ち込んでいる。
  • フランスは出生率が先進国の中では高く、1.92。理由は、婚外子を差別しない法制度。

 

 

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