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今日の数字〜IT業界の人材不足を平均給与で見てみる

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こんにちは。

 

いよいよじめじめした梅雨の季節っぽくなってきましたね。

 

こういう時期には体調を壊しやすいので、注意が必要です。私はちなみに風邪気味です。

 

さて、今日はIT業界における人材争奪戦の様相について、数字をみていきましょう。

 

この業界はここ数年前からエンジニアが足りないとか、AI研究者が足りていないとか、色々と言われています。

 

不動産でもなんでも、需要が殺到すると値段は上がります。人材についても同様に、人材の値段とも言える給料は高騰しているようです。

 

ではさっそくみてみましょう。

 

今日の内容は以下の通りです。

 

    1. すでに始まっているIT系人材獲得競争
    2. ITエンジニアの給料国際比較
    3. まとめ

すでに始まっているIT系人材獲得競争

今日付(2019年6月3日)で、日経新聞は”ソニー、デジタル人材の初任給優遇 最大2割増の730万円”と報道しました。

 

日本を代表する企業の1つであるソニーが、いままでどちらかというと新卒の初任給は業界内で横並び意識が強かったのを覆して、新卒採用であったとしてもAIなどのこれから必要になる領域の経験や知見があるなら高い金額で最初から採用しますよ、というメッセージですね。

 

年功序列が暗黙の前提だった多くの日本企業の給与体制が、変わりつつあるなあと感じました。

 

高いお金を払ってでもこれからの必須技術は囲い込んでおきたい、という意志の現れという理解もできます。

 

実はこのような動きはソニーが初めというよりは、日本企業であっても(新卒かどうか関係なく)高度な技術を持った人材は高い給料を出しますという流れができつつあるように思います。

 

同じ記事で日経新聞はLINEや東芝、ヤフーなども高度人材の確保のために従来の給与水準を大きく上回る水準で待遇しているとのことです。

 

IT系、とひとくくりに行ってしまうとかなり語弊があるのですが、まあIT系のエンジニアやAIに精通した研究者やエンジニアなどはいろんな業界で引っ張りだこで、高い金額が付いている状態です。

 

まさに、これからの時代に必要な知見、経験を持った人物の争奪戦が行われているのが現状です。

 

これは何も日本だけがそうなんではなく、世界的な流れです。むしろ、世界のほうがもっと激しい争奪戦を繰り広げています。

 

ファーウェイは2017年、日本人向けの求人で新卒採用で40万円出す、という求人広告を出して話題になりました。

 

新卒といえば日本では20万円代が標準的なところですから、当時は破格の待遇です。ボーナスを入れると600万超えもありえますよね。

 

でも、この水準は世界で見ると全然高くないのです。日本の常識的な物差しだけで物事を見ていると世界の動きが見えなくなるという話の典型的な例になってしまっています。

 

ITエンジニアの給料国際比較

 

では、例としてITエンジニアの給料を他の国と比べてみましょう。

 

glassdoorという世界各国の求人検索サイトがあるのですが、そこで主要都市におけるソフトウェアエンジニアの給与(求人ベース)を検索してまとめたものが下の表です。

 

 

まあ、求人サイトなので全ての企業を対象にしているわけではありませんので、そこは正確な統計とは差異が生じる可能性はあります。

 

ただ、最新のトレンドはある程度は反映できていると思います。

 

これをみると、アメリカ、特にSan Jose(俗にいう「シリコンバレー」です)がめちゃくちゃ高いです。東京の倍以上あります。

 

シリコンバレー周辺はGoogle,  Facebook, Appleなど多くのtech系企業が集まる場所です。これにシアトルを拠点とするAmazonを加えたいわゆるGAFAのエンジニアの給与を調べたのが下の表です。データの出どころ、換算方法は上表と同じです。

 

各社平均値前後ですが、0-1yearsと全平均とであまり給与差がないところが目立っています。

 

米国は勤続年数云々ではなく、あくまで職能にあった給与が出されるということが顕著に現れていると思います。

 

逆に安いところをみてみると、インドのBagaloreの給与は日本の1/6くらいです。同じ作業をするなら、インドに投げた方が特だ、ということになりますが実際にインドは多くのIT大手のオフショア先として利用されてきました。

 

一方、大前研一さんの記事「大前研一の日本のカラクリ」〜日本人エンジニアの給料が上がらない理由 には、インド工科大学卒の優秀な学生であれば、年収1,700万円でGoogleやFacebookなどのグローバルIT企業に引き抜かれるという記載もあります。

 

まあ、優秀なエンジニアは世界どこでも高い金額がつく、ということですね。この動きは加速していくと思われます。

 

また、イスラエルが割と高い金額が出ていることに違和感を持っている方がおられるかもしれません。念のためにお伝えすると、イスラエルは先進国です。一人当たりGDPは40,000ドルを超えていて日本より上です。国民1人あたりのベンチャー企業の数も世界一らしく、スタートアップ大国と言えるでしょう。IT系のベンチャーも多数あります。

 

まとめ

 

  • 日本でもIT系エンジニアや研究者は引く手あまたで、優秀な人材の争奪戦が起こり給料は高騰傾向。
  • がしかし、海外はもっと進んでいる。シリコンバレーではグローバルIT企業のエンジニア給料は1,300万円以上あり、日本やその他先進国のエンジニア達の給与よりもはるかに高い。
  • 日本のエンジニアは年功序列で給与水準も低く、世界から見ると安い人材になりつつある。

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