こんにちは。
すっかり季節も秋めいてきて、これまでの暑さは一体何だったんだ、というくらい急に涼しくなってきましたね。
秋と言えば読書の秋です。皆さんも読書が捗っていることでしょう。
しかし今回は特定の本の内容というよりは、このブログのテーマである「読書の効果とは何か」について考えてみたいと思います。
ぼくは読書が三度の飯より好きです。
ずっと読んでいたいくらいだけども、どうも読むだけというのは性に合わない。
読んだらそれをなんとか現実世界に当てはめてみて、その本が言っていることは本当なのか、違うとすればその理由は何か。そんなことを日々、考えている事が多いです。
そんな時によく思うのが、読んだだけだったら何の意味もないということです。
それが何であれ、読む前の自分とは異なった自分になっている。
ほんの少しでも良いから、何か変わったと感じないと気が済まないのです。
では、どういう時にそう感じるか?
主に以下の2点です。
1.行動して、何かに気づいた時
2.今までの考え方や物の見方とは異なる、新たな枠組みでの見方に気づいた時
1は何か行動に移さないといけません。行動に移す前と移す後では、見える景色が異なリます。
「罪と罰」の主人公、ラスコーリニコフのように行動する前に思索している段階と、実際に行動した後の自分とは、天と地ほど違う見えるものが異なってしまうということも、場合によってはあり得ると思います。
ラスコーリニコフの場合は殺人を犯したので、社会的に認められる行為ではないのですが。
彼は何が悪なのか、そもそも何が善なのかということについてそれ以降ずっと悩み続けることになります。
僕は新人社会人の頃、あるべき論をまず自分で考えてそうなっていない事があればどうしてそんなことになっているんだ、それを受け入れているあなたたちはおかしい、というようなことをよく先輩に言ってました。
今思うと、相当うっとおしい後輩だったんだろうなあ、と思います。あー懐かしい。
この時思ったのは、頭の中で思っているだけの状態と、実際にそれを吐き出して上司に怒鳴られ怒られた後の状態では何というか見える景色が異なるということでした。
コイツらはどうしてこんなクソなんだ、というのが頭の中で当初思っていたこと。
ケンカして怒鳴られた後は、まあクソはクソなんだけどコイツらなりに自分とは違う視点でみていて、その視点は正直自分にはなかったということ。要するに子供だったわけです。
それは実際にぶつけてみて初めて分かりました。
そういうことを繰り返していると、そのうちに「もしかしたら自分も同じ立場だったら、(たとえ自分ではそうしないと思っていても)いろんな事情でそうせざるを得ない時があるのか」という風に考える事ができるようになりました。
たとえそれがあるべき論とは異なっていても。そして、そこからさらに考えを発展させて、「いや、まてよ??むしろ相手のいう事を聞いた方が自分にとっても特なのではないか?自分の考えにこだわってしまいすぎて、視野が狭くなっていないか??」
という事が、ままあるという事に気づきました。そして100%相手のことは聞かないが、自分の考えに相手の考えを一部反映させると、さらにいい考えになる事が多いことも気づきました。
話が抽象的ですね。具体例をあげましょう。
映画をみて下さい。
三谷幸喜さんの映画「笑の大学」です。
これが全てを物語っています。
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この中で主人公(稲垣吾郎)は、脚本の内容をなかなか認めない検閲官(役所広司)となんどもなんども言い合いをして、その度に検閲官のいうことを聞かざるを得ず、そこを聞くと自分として面白いと思っていた部分が殺されてしまうというところに何度も追い込まれます。
そうこうしているうちに「いや、待てよ?逆に検閲官の指示通りに直した方が面白い内容になるんじゃないか??」みたいな感じになり、それでさらに内容が前よりも面白くなるというようなやり取りを中心に描いたものです。
この映画は間違いなく、僕の人生の重要なものの見方を与えてくれた作品です。
いつの間にか本の話をしていたのに、映画の話になってしまいました。
ま、要するにいい話だったらなんでもいいのですが。
行動して、気づいて、そこから新たな考えがまた生まれて、それに基づいて行動して、また気づいて、、、
人生はこの繰り返しだなーと、よく思っています。