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「言葉にできる」は武器になる。を読んで

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<感想>この本はとても参考になりました。

 

表現方法や言葉選びのテクニックが載っているかと思いきや、そのレベルとは比べ物にならないほどの、もっと深い内容でした。

 

一言で言うと、「外に向かう言葉を磨くためには、自分の心の中にある「内なる言葉」を磨く必要がある」ということだと思います。そのために必要なことは、「自分の心(内面)にもっと関心を持ち、それを言葉で言い表して、自分が普段「考えている」と思っていることを客観的に長め、吟味することを繰り返していくしかない」ということだと思います。

 

皆さんは、何か相手と議論が噛み合わない時や、答えが見つからなくて悶々と堂々巡りが続くような時や、こちらの言い分とあちらの言い分が正反対で、お互いに自分の観点からの主張が延々と繰り返されるような場面に遭遇した時に、どのように考えますか?

 

よくあるのは、相手をどうやっていい負かそうかとか、もう答えがないからどうやってその場しのぎをしようかとか、相手が間違っていてこちらが正しいのだから相手が悪いとか、そういう考えだと思います。

 

僕も若い頃はそのよう考えから抜け出せずに、上司と激しく対立したりしたこともありました。

 

しかしよく考えてみると、相手と何かについて話しあったり議論を戦わせているということは、その時点ですでに「何らかの話し合う内容がお互いに大事だと思っていて、その内容について自分の考えを相手に分かって欲しい」という共通の土台の上にいることが分かります。

 

どんなに意見が食い違っていたとしても、この点については共通している点だと言えます。

 

共通しているということは、味方でもあるということ。

 

そう考えると、今の状況は「対立」ではなく「困難な目の前の課題を解決するための仲間」と考えることもできます。

 

相手との関係が「対立」しているという風に、無意識に考えてしまっていると、そこから考えが発展することはありません。相手の挙動が全て自分への敵対行為のように見えることもあるでしょう。そうなるとどんどん「対立」は深くなる一方です。

 

むしろ、対立ではなく創造的解決のための仲間だと思ってしまえば、今まで思い付かなかった調整方法が見つかったり、お互いの妥協点が見えてきたり、少しでも相手とコミュニケーションを取ろうという意識が出てくるものです。

 

とは言っても、なかなか対立している相手なので感情的に難しいかもしれません。

 

しかし、その「感情的に難しいと思っている自分」すら、一度言葉に出してよく考えて見てください。

 

なぜ自分は感情的になってしまうのか?

 

感情的になることによって満たそうとしている自分の目的は一体何か?

 

それは今回の対立を生み出す議論のそもそもの目的からすると、本当に必要なのか?

 

表面的には賛成のようなそぶりをしてくれてはいるものの、実際のところ周りは自分をどう見ているか?

 

、、、冷静に考えると、大抵は「自分が嫌だと思うこと」「自分が楽なこと」が見え始めてくると思います。

 

相手と対立し続けるのがいいのか、自分が少し頑張って状況を打開する方がいいのか、どちらを選ぶのかはもう目に見えているはずです。

 

対立を対立ととらえず、別の言葉で言い表してみる。

 

そうすると、対立だと思っていたものが実は違っていたということに気づきます。そして自分が気づくと、相手への態度も変わります。相手への態度が変わると、相手もファイティングポーズを解除しやすくなります。

 

これらの話は理想論ではなく、実際に私もコンサルティングの現場でなんどもこの言葉の持つ威力を経験してきています。

 

詳しい話はまた書こうと思っていますが、もし、対立や難問を目の前にして悶々とされている方、現状の認識は「対立」なのか「煮詰まっている」なのか、一度その言葉を自分のノートに書いて見てください。

 

そして、それは本当なのか?

 

と自らに問いを出して見てください。

 

「煮詰まっている」と思っているということは、「煮詰まるまで考えても答えが出ないことが分かったため、答えが出ないという前提で検討するなら、問いの設定をどう変えるべきか」

 

という考えに変更すべき時期がきているのかもしれません。

 

では、今日はこの辺で。

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