こんばんは。
今日は日経平均株価について述べたいと思います。
アベノミクスが始まって以降、株価は高い水準を維持していますが、これって歴史的にみたらどんな動きをしてきたのか、そもそも高いっていうけどどれくらい高いのか、そんなことを見てみようと思った人は実はあまり多くないと思います。
日々、なんとなく株価が高くなったとか低くなったとか。
そんな、ニュースで言われているその時々の状況を長期時系列で眺めてみるとまた違った見え方がしてくるものです。
今日はその例としても日経平均株価の長期時系列データを見てみたいと思います。
下のグラフが日経平均株価の推移です。(出典:Kabutan掲載データから筆者作成)
日経平均株価の過去の最高到達地点は、38,957円で1989年12月29日に付けました。ちょうどグラフのスタートの、高値のところあたりです。
ここから、バブル崩壊が始まります。2002年あたりで下げ止まるまで、10年以上下げ基調が続きました。その後リーマンショックが起き、7000円近くまで一時下がった後、アベノミクスに入る2013年あたりから再び株価が急回復し、20,000円を超える水準で一旦落ち着いているような感じですね。
日経平均株価を見ると、日本経済が歩んできた好調、不調の波が良く分かりますね。
この記事を書いている2019年5月20日の日経平均株価の終値は、21,301円です。
バブル崩壊後の株価でリーマンショックの時期を除けば、やや高い水準になってきているという風にも見えます。
ニュースなどで良く高い、低い、年初来最安値とか色々行っていますが、長期的な時系列を見た上で過去のどの水準と比べて高いのか低いのかを考えてみると、また違った見方ができますね。
また、もう一つ株価が高い低いを見る指標があります。
それは、はっきり言って色々あるのですが、ひとつあげるとするとPBRという指標があります。
PBRは、株価純資産倍率とも言われます。
「株の値段」が高いか低いかを考えるとき、「株の値段そのもの」を見ていても高いか低いか分からないですよね。
ある人の身長が高いか低いかを見るときに、仮にその人以外に人間が存在しなかったとすると、その人の身長が高いのか低いのかも分からないはずです。
他の物差しが必要なのです。
では、株の値段を他の物差しで測るとき、何を基準にするか?株の値段というのは、そもそもその会社につけられた値段です。
その会社につけられた値段の一つの見方として、例えばすごい土地や機械をたくさん持っている会社があったとすると、その会社は資産価値を豊富に持っていると言えるでしょう。
しかし、それらをすべて借金で買ったのだとしたら?その資産価値と同じ金額が借金であったとすると、いくら資産価値を豊富に持っていても、返さないといけない借金が同額あるのならプラスマイナスされて株の価値は0と考えられます。
このように、株の価値=会社の価値=持っている資産価値から借金を引いた額、と考えられます。そして、この「持っている資産価値から借金を引いた額」こそが、純資産と呼ばれるのです。
なので、その会社の資産価値と借金の総額を調べれば、純資産は分かります。そしてその純資産は、株の価値を表しているので株価以外の一つの指標と見ることができるのです。
純資産と株価は理論的には一致しうるものですが、実際は株価は相場の中で生き物のように動きます。
ですので純資産と株価はしばしば買う人と売る人の思惑の中で乖離するのが普通です。
この乖離幅を見る一つの指標が、PBRなのです。説明が長くなりましたが。
一般的にはPBRが1であれば、純資産=株価となるので、PBRは1より大きいか小さいか、を基準とします。
1よりも大きければ持っている純資産よりも株価が高いと評価されていることになるので、株価は高く付いていると言えます。
逆にPBRが1よりも小さい場合、持っている純資産よりも株価が低いと評価されていることになるので、株価は低く付いていると言えます。
さて、このPBRですがさきほどのバブル崩壊直前の最高値を更新していた頃は、一説によるとPBRは5倍以上だったそうです。
持っている純資産の5倍もの株価が付いていたということですね。
さすがバブル。いんな狂乱していたんだろうな、ということが分かります。
そして直近では2019年5月20日の終値ベースで日経平均のPBRは1.07となっています。
いかにバブルの時代がとんでもない株価が付いていたのか、ということがこのPBRを使っても説明ができました。
今の株価は歴史的な推移を見ても、PBRと言う指標を見ても、それほどおかしい水準ではないということが分かりました。
もし、今後株価の話が出た時は、過去の推移を見ることと、PBRを一つの指標として見てみると面白いことがわかるかもしれません。